何年も手をつけていない、デッドスポットというものが部屋には存在します。
けっこう同じように、ある部屋の片隅をいつも見ないふりしてすごしているうちに気にしなくなっちゃって十年くらい経っちゃった、って人、いるんじゃないかと思う。

いるんじゃないかと思う私は、まぎれもなく面倒くさがりの片付けベタなわけですが。
だって片付けるひとは埃たまったら我慢できなくなるもんね。

私と妹が使っていた部屋には、デッドスポットがかなーりあります。十畳ほどの狭い部屋なのに、思いつくだけでも、

机の下×2、机の上×2、机の棚×2(嗚呼、似たもの姉妹…)、
本棚の隅、押入れの上、使っていないハンガーラック、の引き出しの中×2、の天板の上、などなどなど。

ちなみに、唯一定期的に整理されている「机の中×2」は、漫画と小説の貯蔵庫となっております。欲望に忠実なあらわれですね。

私の場合、実家を離れて何年も経つので、その結果生じてしまったデッドスポットでもあるのですが。……いえすいません嘘です住んでたときからデッドスポット化してました(土下座)。

ともかくこのデッドスポット、デッドと名のつくからには理由がありまして。
それは、常に見ているはずなのに、それが何の物体なのか脳まで届かず、すっかり景色として認識してしまっている状態を指します。さあ考えてみてください、そんなお部屋の片隅が思い浮かんだら、それが貴方のデッドスポットです。

改めて片付けようと腕組みをして、

なぜかある鍵盤ハーモニカ。

なぜかとってある習字セット。

捨てられないリコーダー(カビ生えてたやつは捨てました。妹のでした。私のはアルトリコーダーまでうつくしく保存されていたのに、やつのはなぜ菌の温床となってしまったのだらう)。

そして、巨大な裁縫箱までふたつ出てきて―――いや出てくるもなにも普通に埃かぶってただ置いてあっただけなんですが、認識上は数年ぶりに脳へ届いた存在なわけですよ。使徒襲来ってなもんで、エマージェンシーコールを演じる気力が湧いてこなければ、なんかもう沈黙するしかありません。

この年になって、墨汁を洗面所に流すとは思わなかった…。

小学生のときに使っていたカバンを後生大事にいくつもとっておいていた自分に、とりあえず捨てろよ、ではなく偉いなと思いました。
なぜなら気に入っていたカバンは、ちゃんと袋にいれて保存していたからです。
埃もついておらず、すぐにも使えそうな美品でした。………でも今更使えるデザインでもないし、それはわかっていただろうに何がしたいんだ自分よ…。

いやもう、こういった「とっておきたい」気持ちに理由などないのですね。とっておきたいから、とっておきたい。ていうか捨てよう!片付けることは捨てることだ!と決心して(つーかぶっちゃけいい加減部屋で寝たくて)掃除し始めた今でさえも、本心をいえば、「とっておきたい」。



――――だからダメなんだっつの!!!!!!



結局、一生使わないだろうカバンたちとは潔くお別れすることに決めましたが、

お菓子箱に入っていたプラバン―――昔やりませんでしたか、プラスチックの板に油性ペンで絵を描いて、トースターで一分くらい焼くと縮んで絵が固定されるという遊び。しかし、作るだけ作って捨てられず、使い道もなく、お母さんに怒られるという事態―――を見つけたときには、黙考ののち、黙って蓋をして机においた私なのでありました。


とっておきたい…。この気持ちはあたたかいのだが何よりの敵だ。
一見あたたかくて敵対心を抱かないところ、いっそうタチの悪い敵なのだーあああ。

コメント

nophoto
藤子
2007年6月3日18:30

大親友に告ぐー!ちぃちゃんは君の帰還を一日千秋の想いで待ちわびている!!毎日一回は呟いているぞ!あの我慢強い子をこれ以上悲しませないで!戻って来て、あなた!!

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2007年6月8日14:00

ぎゃーん。。。今日見たよおお
近々帰ります。バイトしてたっす

nophoto
藤子
2007年6月15日22:31

 君は・・・・・。ちぃちゃん、虚空を見つめ「放置プレイ?」とか呟き始めたぞ!
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