11月24日付 ZAKZAKの報道「灰谷健次郎さんが死去…「兎の眼」「太陽の子」」へのコメント:

本を読んだことのない子供がいても、学校の図書館にすら一度も入ったことのない子供は、おそらくいないはずです。
入学すると、大抵一度は図書館に案内されますから(少なくとも私が学生だった頃はそうでした)。

そして、ほとんど全ての図書館が、灰谷健次郎氏の『天の瞳』を蔵書していると思います。

私には文学の難しいことなどわかりません。正直、この方の本をまともに読んだことはありませんでした。

けれど、とても身近な作家さんのひとりでした。小・中・高とずっと図書委員を務めていたものですから、この方の本に触れる機会はとても多かったのです。
『天の瞳』の背表紙は、図書館の風景の記憶と重なっています。

茨木のり子さんの時もそうでしたが、ずっと背表紙を追い続けていて、まるでそれを壁紙のように意識していた作家さんが亡くなられると、恩師を見送ったような寂しくて物悲しい気持ちに襲われます。

彼らが私の中にのこした軌跡が深く溶け込んでいるゆえに、喪失感が大きいのでしょう。

―――氏の本が、いつまでも、子供たちの「壁紙」でありますように。

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