ハリポタ第六巻読了

2006年5月18日
レビューに書こうかと思ったけど、どう考えても私の場合レビューというより「感想」に終始するので、ふつーの日記で書きます。

ネタばれはほとんどありませんが、読んでいて受けた印象等については書きますので、少しの前情報も知りたくないという方は読まれないほうがいいかと思います。

面白かったー! とかテンション高くありません。むしろハリーの性格について疑問を抱いているので、ハリポタ大好き!な方はご遠慮ください。



ふー。読み終わった。
私は長編も一気にぶっ続けで読まないと嫌なひとなので、読了時にはぐったりしています。まあこの本は文字量がすごいわけではないんですが、ハードカバーで二冊に分かれてるだけで重量感があるし。

そしてわたしの中の分類ではどちらかというと児童書より「推理物」系の棚にこれは蔵書されているので、読んでいて頭使う感じがつかれます。カタカナ多いしな。肩こったー。

えっ、そうくるの!?っていう驚きにおいては四巻の炎のゴブレットが一番面白かった気がします(三巻のアズカバンも好きだったけど)。
そのせいか、五冊目の不死鳥はちょっと中だるみ的な空気も漂いました。

多分、ハリーの境遇においては「庇護される立場→独り立ち」への大きな分岐だったと思うのですが(あのひとが死んじゃったから)、

不死鳥〜の巻は、なんかもう、最後にあのひとが死ぬために、こ〜してやるこ〜してやる〜〜〜とばかりに話が進んでいったような気がしてなりません。六巻目が出たから冷静に振り返られるんですが、ちょっと強引だった。
ハリーも苛められ追い詰められ、急いた結果、ヴォルデモートの罠にまんまとひっかかっちゃうわけですし。

なんですかねえ、プリンス〜を読み終えて一番感じたのが、

ハリーってぜんぜん成長してなくね?

という一抹の疑いでした。

好奇心を持つ、勇敢である、というのがハリーの根幹を占める特徴なわけですけど、それでこんだけ危険な目にあったり、周囲を危険な目に合わせたりもしてたら、なんかこう…「自分自身に疑いを持つ」みたいなとこ、もっと身についてもいいんじゃないの?

多分ね、六巻目のハリーが、さかのぼって二巻目の事件にぶちあたっとしても、同じ行動をとると思うのね。

16歳の少年が、12歳の少年と同じ行動パターンなんですよ?

―――人間って成長する生き物だから、ありえないわけですよそんなの。

十代の子供って精神的にも肉体的にもすごく変化するから、物事に対する対処の仕方とか、取り組み方とかも、ほんとに一ヶ月ごとに変わるくらいの柔軟性を持ってるもんでしょう。

なのに、何年経っても、
「おんなじように」好奇心を抱いて、「同じ熱意でもって」謎を解こうとし続けるなんて、不自然極まりないです。
つーか私は、なんか違和感を感じちゃいます。両親を殺された復讐心に駆り立てられているんだってほうが、まだしも説得力ありますよ。
それなら、ひとつの見方にこだわってることを納得しやすいから。

悪役の心境は「野心」の一言で片付けることもできますが、いわゆる「善」に立つ主人公の心境って…把握が難しい。

ハリーって自分の直感をあんまり疑いませんよね。それが不気味です。
何度も騙されたり罠にはまったりもしてるのに、なんでその自分の直感をチラとも疑わないんだ? 学習能力がないのか?
そこに違和感を覚えると、行動の全てに傲慢さが見え隠れするような気がして、だんだんイラっとしてきてしまいます。

なのでちょっと、「ハリーがスネイプを最初っから嫌っているから」という理由だけで、

スネイプは絶対に味方だ!!

とか確信してみたり。

なんだかなあ、ハリーの勘が正しくてもハズれてても、
ハリーが絶対になにかおかしい! どうして誰も気にしないんだ!と主張する度に、うっすらと不思議な反感が芽生えました。

…主人公に反感覚えんなよ…。

複雑な気持ちなのですが、おそらく、
「君は最善を尽くしたんだ…悪いのは君じゃない」とかって肩をぽんぽん叩かれて涙するハリーの図に食傷ぎみなんだと思います。
ハリーの行動が最善の術だった、というオチも好みじゃない。

一度ならまだしも、三度も四度もくりかえされちゃ、飽きる。

人間、どーしよーもない間違いを何度もやって当然なのに、それがないから、ハリーという人物像が妙にリアルじゃない。

リアル感が薄くなる原因のひとつに、なんだかんだいってヴォルデモートは不気味で気色悪く恐ろしい存在のはずが、
相対したときのハリーの恐怖心が、どこかへなおざりにされている感があるってのもあると思います。

出会った瞬間、ハリーの気持ちの中ではヴォルデモート=敵という公式でも出来上がってしまうのか、あんまり恐れません。いや恐れはするんだけど、いつも冷静だし、震えて杖を取り落とすようなこともない。

なんかそこが、微妙に、ちょっぴり、つまんないなーと。

ここまでくると、推理物が「英雄譚」になっちゃいます。私の中の位置づけをずらさなきゃいけないみたいです。
残り一冊ですが、このままだと英雄譚のままぶっちぎっていきそうですね。
最終巻ではあんまり登場人物死なないで済むといいな。これでばんばか死んだら、まるっきりどっかの英雄譚になる気がする…そして悲劇の主人公ハリー、みたいな(苦笑)。

六巻を読んだ感想のくせに、見事なまでに内容に触れてないな俺。

ハリーに対してえらいずけずけ言ってるので、不快になってしまったひとがいたらごめんなさいです。でもあくまで印象ですんで。

「混血のプリンス」は、

そ、そんなオチかよ!!?? という感じでした。
なんかこのオチは気に食わなかったなー。多分途中までヴォルデモートだと思わせといて、実はこのヒトだよーんって披露したつもりなんだろうけど、ガックリきただけでした。だって嫌いなんだもん。秘密のランクが大物から小物に格下げされたよーな冷えた空気でした。

でも最終巻ではこの「プリンス」が重要な鍵になるんだろうな。

とりあえず最後の巻が出るのを楽しみに待つことにいたします。

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