結局四本ともひきとりました。
ゴミ箱に捨てられる運命の、ごっつい歯肉のついたグロテスクな歯を大事そうにかかえるわたくしを、歯科助士のお姉さまがどことなく冷たい目で見てらしたような気がするのは記憶違いでございましょうか。

いやぜったい「そんなグロいもん持って帰ってどうすんだコイツ…」って思ってた。思ってた目だったあれは!! ちきしょー!!

――こそこそしながらも、やっぱり大事に持って帰りました。

だって、とわたくしは言ったのです。


「アタシが死んだらさー死体として(遺体と言え)大事に扱われて一緒に葬られるはずの歯だよ? あたしの一部だよ? そんな、ただのゴミとして捨てちゃうなんてかわいそうじゃないか!!!!」

「あーハイハイ」←って感じに妹子に流されておわりました。

でもやっぱり不思議な感じがいたしました。

ほんとうだったらお墓まで一緒だったはずなのになあ。
乳歯はすべて、屋根の上にあげてやりましたから、抜いた歯だってちゃんとどっかに葬ってあげたいのです。

ちなみに歯医者のせんせーには、

「ピアスにして耳にさげたらどう〜?」とか笑われました。

――いちおうシミュレートしてみた自分がコワかったです。


大事に持って帰ったわりには、当日のバッグにそのまんま突っ込んであるので、もしわたしが急死したあかつきには、

「ちょっとこのごろごろしたの何?」
「なんか包んであるからアクセとか…ギャ――――!!!!」

なんて、家人を楽しい気持ちにさせてくれることでしょう。

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