腹がへったので冷凍のハンバーグをあっためて、その器に解凍したごはんをただ乗せる。

食えりゃ見た目はどーでもいい。うまいし。

朝の光は目にまぶしい。やつれた精神にもまぶしい。

のどが渇いたので飲み物を探す。――なにもない。

毎度なくなる度につくっている麦茶を、妹子が出しっぱなしで放っておいたらしい。
ぬるく薄いそれを捨てて、新しく茶葉袋をいれて冷蔵庫へぶちこんでおく。

コップも和室に置いていたんだった。

舌打ちしつつ、他に洗い物を増やすのもうんざりなので手酌で水道の水をすすった。

――すするつもりが、がぶがぶ飲んだ。

血の気が失せて、白くなったてのひらにうつる水は濁りもない汚れもない透明。


ふと中国をおもいだした。


―――どんなにマズくても塩素臭くても、水道水がそのまま口にできるしあわせよ。


この感覚、いちどは味わってみる価値がある。

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