蒼穹の昴(1)

2005年8月2日 読書
ISBN:4062748916 文庫 浅田 次郎 講談社 2004/10/15 ¥620

蒼穹の昴に、ただいま妹子がハマり中。




…………なにもこんなド修羅場中にハマらんでも…(白目)。




しかしこの本、べっくら面白い。

私が初めて手にしたのは高校の時だが、ブ厚くかつ重いハードカバーの此作をかたときも離さず読んだことを覚えている。

清朝末期の中国を舞台に、ひとりの少年と青年を中心として話は始まる。

欧米諸国、そして日本が中国へ侵略の手を伸ばそうと画策する寸前、王朝がゆらぐ動乱の時代。

生き生きとした数限りないキャラクターたちが描きだしていくのは、激動にもまれた人々の営み。

――陰謀と思惑。
皇帝の黄色に包まれた王宮、紫禁城の、奥深くで交わされる密談。巨石に囲まれた庭園での過去との対話。

――友愛と情熱。
その時をただ切ないほどひたすらに生きていく少年たち。振り回される女たち。一方で、国の危機に立ち上がり、変革に燃える青年の眼。

歴史で学ぶ『西太后像』をぬぐいさってしまうほど魅力的な、西太后。

―――とにかく、美味しい仕掛けがたっぷりのお話なのです。

読んだあとに、ごちそうさま!と本を閉じれる話は少ないですが、その数少ない一作品に、私の中では位置しております。


浅田次郎というひとは、泣かせる話を書くひとだとか一時期言われてよくテレビに出たりして、「こんな話じゃ私は泣けない」とかいろんなタレントがコメントぶったりとかしてましたが、

はっきし言って、この人の短編はわたしもそんな好きじゃないです。
直木賞を受賞した作品より、前年直木賞候補にあがったこのお話のほうがずっとずっと好きです。

そんで、テレビの演出だとはわかりつつもカッチーンとキたんですが、

泣ける話だからイイんじゃないです。

楽しくて興奮して――そんで泣いちゃうほどのおもしろさだから、イイんです。



テレビ、その順番間違えんじゃねえよ(怒)。
思いだしたらちょっと憤りが再燃してしまいました。まだまだ若いな俺も。



まー、最近ぽこぽこ量産されてる作品は、勢いとノリだけで書いたっつー印象が濃すぎるのが多いですけど。

って評論家ぶれるほど、じっくり読んでるわけでもないんですがね。

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