なにがなんでも活字が読みたいというときは、もう質なんかどうでもいいからとにかく潤すものが欲しいんだと、

砂漠で泥水色の水をまるで甘露のように、頭つっこみながらがぶがぶ飲むような感じだけど。

いまはそうではなくて、しっとり胸に降り積もって、しばらく時間が経っても物語の残影が溶けない、そんな話が読みたい。

しかし、北向きの日陰に春になっても溶け残る雪氷はわずか。

たっぷり降り積もった雪の、ほんのごく一部だ。




冷たくてときどき指先を刺されたりもするけれど、凍ってほどけない、うっかり踏みつけたらすっころぶような手に負えない感情を抱かせてくれる話が読みたくなることだってある。




咽喉を焼くカカイルが読みたい。

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