というのが中国での常識です。

なので基本的に夏場でも冷たいものは飲まない。
スプライトだってコーラだって生ぬるいのが出てきます。
冷蔵する電気の節約ではなくて、客の体をいたわってのこと――、と信じるひとは誰もいません。ふ。

ずーっと疑問に思ってる、ケンチキのあったかいオレンジジュースも、こういう中国の習慣から来てるのかもしれませんね。
その可能性が高いと思います。

中には、冷たいものを出すと怒り出す客もいるそうですから(マジ)。

レストランなどに行ったときも、注文するときには、ちゃんと「ビール。冷たいやつね!」と言わなければ、なまぬるいやつが出てくる可能性があります。

冷たいやつと言って持ってきたビールが、さほど冷えてないこともあり。

――かと思えば、凍ったビールが出てくることもあります。

注いだ瞬間、液体といっしょに、泡ではなくてジャリジャリと氷ビールが浮かんでいる切なさ。

その度に、



―――ちょうどよく、て単語を知らねぇのかてめえらはあァァ!!!!(ちゃぶ台返し)



なーんて怒っていては、この国で一週間も生活できません。

「アラマー、凍ったビールですことよメズラシイわね」
「そうねえ運がいいかもねをほほほ」
「まだ開けてないヤツはちょっと置いときましょうね」

かように笑い飛ばすぐらいの余裕がなければやってられません。
つか正直、笑う以外にどうしろと?――というのが本音かもしれませんが。


ともかく、中国人は冷たいものを飲む習慣はあまりない、私はそう思っていたのです。

でも上海はやはり、他の地域とは一線を画しているようですね。

先日、遊びに行った友達の部屋で、「夏場に冷たいものを飲むと美味しい!」というようなテレビの番組を見て、びっくらこきました。

どれも若者ですが、にっこりと「暑いときに冷たいものを飲むとスっとする」とか言っているのを見て、ハァ〜中国も変わるもんだなと感心しました。


この国は「中国がいちばん!」と思ってるのが大好きだし、実際それを目指す国で、自分とこの文化とか習俗がいちばんいいと思ってる節があるのです。

……それだけならいいんですけど、「これはいい、だからオマエもこうしろ!」と、本人は親切のつもりでしょうが、押し付けたり必要以上に薦めてくる人がけっこういます。

そういう人にぶちあたると、かなり閉口してしまいます…。

あ――そうか、自分とこの習慣その他がいちばんイイ、って思ってるから、地域同士であんまり仲がよくなかったりとか、偏見持ちがちなのかもな(今思いついた想像)。

例えば北京の人は上海人を「守銭奴」と罵りますし、上海では北京人を「田舎者」とせせら笑うとか。

なにしろ国土が広いので、地域によってもかなり見た目違うし(雲南の人は背が小さくてよく日に焼けてて、東南アジアの人々に近いし、広東省あたりの男性は全体的に背が高いとか、色々あるみたい)、性向的にも地域差が見られるみたいです。

―――ま。日本でも中国でも、地域による性格の傾向より、人による性格の差のほうがドでかいのは言うまでもありませんけども。

いい人はいいひとだし、ヤな感じのひとはヤな感じです。
出身が関西だろうが河南省だろうが関係ない。


しかし文化や習俗、特に食文化に関しては意外なほどに保守的な中国。

その国が、冷たいものを受け入れるとは。

――でも、テレビでおそらく20代だろうと思われる人たちのインタビューを聞いてるうちに、笑えてきてしまいました。


あっついときに冷たいものを飲むのは、めちゃ気持ちいいですよ、正直。

爽快っすよ。

――人間は、どんだけ禁止したって、「快」に関することだけは緩んじゃうもんじゃないですか。

いくら体によくないって言ったって、タバコがやめられないようにね。

考えてみりゃ、自然なことです。――妙におかしかったです。

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