なぜ大家さんが、部屋を借りるときの重大な決め手になるのか。


――それは、ここで借りる部屋には絶対に絶対に、なにか問題が起こるからです。


例えば水まわり。
家電がいきなり壊れたとき。


私たちがまず相談すべき相手は大家さん。しかも修理するもしないも、いつするかしないかも、判断するのは大家さん。

実際さき冬、友人のところでエアコンが壊れるということがありました。
直せないから、大家さんに相談したところ、大家さんが持っていて余っている暖房器具を貸してくれました。

ケチくさい大家だったり、面倒臭がりの大家だったらたいへんです。
たかが一冬のために、安くない出費をこらえ彼女自身で暖房のための何かを買わなければならなかったかもしれないのです。

大家さんがいい人であるかどうかということは、生活問題に直結してくるのです。



ところで、大家さんというのは、日本のように建物でアパートを持っていたりするわけではありません。

――部屋を、持っているのです。

おもしろいと思ったのですが、中国ではマンションとして家を買うとき、コンクリートが打ちっぱなしの、私たちから見ればまだ造りかけの部屋を買うのだそうです。

そして、内装工事から始めるのだそうです。

つまり、すんごいボロアパートの中、玄関のドアを開けると、外見にそぐわない全面大理石、床はタイル張り、システムキッチンが完備されてリビングはつるっつるのフローリング☆とかいうことが間々あります。

たとえ隣同士でも、大家さんが違うと、それぞれ内装が驚くほどに違うのです。

さらに中国では、家賃は家具家電つきです。ベッドもテレビもガスコンロも冷蔵庫もレンジも棚も椅子もテーブルも、大家が判断して入れていれば、あります。

もちろん大家が選んでいるわけですから、レンジがないとか、冷蔵庫だけちょっと古いとか、あるいはテーブルが三つもあるよどうするよ…てなこともおそらくあるのでしょう。

さらに新築の部屋だと、あなたが最初の入居者だから、今度の休みの日にあなたが好きな家具と家電をいっしょに買いにいきましょう、ってなこともあったりするみたいです。すごい。

家の中で大きなものが、完全に明確に「大家さんのもの」ですので、壊れたからといっても私たちが勝手に修理するわけにもいかない(というかしたくない)。

性格的に合わない大家さんだと、とてもとてもとてもたいへんな思いをするそうです…。

友人は最近こう言っています。

引越したいんだが、今の大家さんがいいので、大家さんが持ってる部屋をまた借りたい。でもうまくあるかどうか…と。

なにかあったら不動産屋さんに…という大家さんと日本でつきあっていたせいか、何かあったら即大家!なここでのシステムがひどく不思議に感じられる私です。

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