ついさっきのこと。


ネットしてたらいきなり知り合いの韓国人が部屋に来ました。
なぜか焦った様子。
身振りと、まだ拙い中国語で、どうやら「ルームメイトの子が吐いてる」らしい。


―――って友達の○○ちゃんじゃーん!!!!(焦)


焦ってネット落ちて彼女の部屋に駆け込みました。



――――げえげえ吐いてる…(見てるこっちも青くなるほど)。



病院に行きたくて電話したいんだけど、すぐに吐き気が襲ってくるので、代わりに私に電話してほしいとのことでした。

合点承知の輔!!!

彼女は妹子と同じ歳なので、はりきりますとも。ていうか病人には親切に、これ常識。

吐く彼女の背中をばしばし叩いている韓国人のルームメイト。…背中をさすってあげるもんじゃないのか? 出してしまえ、全部出してしまえと言わんばかりの叩きっぷりにビビりながらも(韓国ではそうなのかしら…私は始めて見た)、私は電話をしてみました。

電話先は保険会社。私がこの後たいへん立腹することになる保険会社さんであります。

まず電話口に出た女性。声が小さいしヘンなところでボツボツ言葉を切るから、聞こえにくい!!
もっとでかい声でしゃべれ!!

迎えにきてほしいことを伝えると、「30分後にそちらに着きます」と言う。一時間とか言わないだけマシだが、「できるだけ早くにお願いします」と言っておいた。中国では何事もはきはきと言うだけ言ってみたほうがいい。

言っても動いてくれないならば、さらに言う。五回は言う。それでもダメならブチ切れてぎゃあぎゃあ騒げば、大概のことはうまくいく(七ヶ月中国に居て学んだ極意がこんなもん)。

ごくたま〜に、言ったらすぐやってくれることもあるし。


まだ苦しそうにしながらはあはあ肩で息をしている彼女を見て、こりゃ正門まで歩けないなと思った。
夜既に10時をまわっていたので、車が通れる門は開けてもらえない。しかし病人だ!と言ったら絶対大丈夫なはずだ。

ぐったりしている彼女の変わりに、財布や保険の契約証など、必要最低限なものを準備。
タオルとポケットティッシュとゲロパックも作って入れておいた。このゲロパック、後でさっそく活躍することになる。

と、この辺りで今度は保険会社の男性から電話。こちらも中国人。しかし日本語は格段に流暢だ。一瞬日本人かと思ったほどだ。

ところが、口調や声の感じから受ける印象はあまりよくなかった。平たく言うと――「夜中に呼び出されて迷惑。めんどくさい。さっさと終わらせたい」空気が、敬語を使いながらもこちらに伝わってくるのである。

ムカチーン★

とか思ったが、はっきり言って明日の授業もあり、具合の悪い彼女に病院まで着いていこうという気はなかった(彼女自身何度もも夜中に病院に行っているので、必要ないと主張するだろうとも思った。これは当たっていた)。

保険会社の彼は、病院まで付き添う要員で通訳も兼ねている。友人がヘタについていっても、そりゃ心の支えにはなるかもしれんがどうせ夜中にまたタクシーで帰ってこなきゃいけないし行っても邪魔になるだけなのだ。

学校の住所を述べると、彼は「では正門まで出てきてください。私は寮がどこにあるか知りませんので」と言った。

私が正門まで行って寮まで案内しますので、寮の前まで来てくださいと持ちかけると、ではそうしてください、と。

よっしゃ思う通りにいった、と電話を切り、下まで来るっていうから安心してね、私は正門まで迎えにいってくる――と言って部屋着のまま向かったが、イライラして「フンガ―――――ッッッ!!!」と足を踏み鳴らしたい気分だった。



寮の場所知らないから、(病人が)正門まで来てくださいってどういうことよ!!??


具合悪いから来いって言ってんのに!!!
正門まで行けたら行ってんだっつの!!! 行けないから呼んだんだっつの!!!!
そんくらいのことも考えつかねえのかてめえは!!??

身内だったらどうしたよ、正門まで出て来いと言ったか?
苦しんでいる緊急の病人に対して、気配りのないその仕事ぶりはどうなんだ!!

どうせ中国人だから、いまよりもっといい仕事につきたいとか出世したいとか考えているだろう、と思うにつれ怒りは高まる。

―――顧客のことを考えた仕事ができないやつが、転職した先でもできるわけがない!!!


20分後に着いたヤツが、寮の前まできたところで「では連れてきてください」と言った時点でもムカつき再発。



――――車から降りようとすらしねえ。



とにかく急いで彼女を迎えに行ったが、一階の玄関前まで来たところで、我慢できずまた吐き始めてしまった。用意したゲロパックさっそく活躍。

吐き気が強くてまだ立ち上がれない彼女に、どうした、大丈夫かと受付にいたおばさんたちがやってきて、背中をさすってくれる。

タクシーからようやく出てきた保険会社の男は、めんどくさそうに突っ立ってるだけ。顔が「さっさと車に乗れよ」って言っているかのようだ。なんて貧しい人間性だ。



―――オマエ、この仕事やめろ。


一生肉体労働の仕事でもしてろ。人の気持ちを慮れないやつが、どうして人の上に立てるだろうか。


彼に対する、そして彼を雇用している会社への侮蔑が最高潮に達したところで、ようやくひと段落ついたのか、えづいていた彼女が「大丈夫です、すみません」と顔を上げる。

―――ぜんぜん謝る必要なんてないよ!!! 病気は災害だから!!


ありがとう、と頭を下げる彼女を乗せたタクシーが遠ざかるのを見送り、ルームメイトの韓国人とふたり、「おつかれさま…」とようやく深呼吸。

受付のおばさんたちにありがとうと頭を下げてから、部屋に戻ったのですが――。

確かに私の言い方も一方的ですが、あの男の鼻持ちならない、っつかはっきりきっぱりそれで仕事してるつもりかと問い詰めたくなるあの態度はいったい何なんでしょうか。

非常に腹立たしい。

中国人だから、そんなこと期待してもムリだよ。ムダムダ〜。人を思いやることとか全然できないじゃん、ととある友人は言いました。

でも、ちゃんと暖かいステキな人だっているのです。あの受付のおばちゃんみたいに。

それに、日本人だからって人のことを思いやれる人間ばっかりってわけでもない。やっぱり、それぞれ人による。

教育とか、民族とか、習慣とかに関係なく、人間性の問題だと思うのです。苦しんで夜中に助けを求めてきた人に対する、接し方。それを考えるかどうかだと思うのです。

―――しかし、あの電話で初めに出た女性といい、この男性といい、夜中に待機してる人間にはロクなのがいませんね。

調子が悪いと思ったら、できるだけ明るいうちに行動を起こされることをおすすめしたいです。




………さて。

くだんの病院行きとなった彼女の症状は、食あたりに非常に酷似していたわけですが、その彼女といっしょに昼ごはん食べたのは実はわたし。

具合悪くて夕飯食べていなかったので、食あたりの原因となったのは、十中八九、昼に食べたどれかだと思われます。

実際私も吐き気を覚えたんですよ。でも胃薬飲んで、夕飯食ったら治ってた。念のためその後も胃薬飲んだけど。


―――港町育ちで、けっこうビミョーな海の物を食い続けてきたからかな…免疫ついてんのかしら。

でも24時間は戦々恐々と過ごす。病院はヤダー。

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